恋愛で相手と親密になれない時
人間関係において、親密になることを避ける人がいます。
特に恋愛に発展しそうになると自分から逃げたり、その恋の舞台から無理矢理自分から降りようとしたりします。(トラブルを意識的あるいは無意識に起こして関係を壊すなど)
それにはいろいろな理由はありますが、大きくは親密になればなるほど、自分をさらけ出さなければならなくなるからであり、それが怖いからです。
なぜ自分をさらけ出したり、知られることが怖いのでしょうか?
根本的には自分に自信がなく、本当の「自分たち」がわかっていないからです。
自分たちの「たち」って何? 自分って「この私」じゃないの?
と思うかもしれません。
しかし、いわゆるインナーチャイルドとか置き去りされた自分の感情エネルギー体とか、問題を引き起こしてしまういろいろな自分が心の中には存在するのです。
この考えは心理学を学ばれている方には理解できるかもしれませんが、通常は何のことなのかわかりません。
しかしタロット的に見ていくと、このことが「カードの人格化」というものに似ていることに気がつかされます。
タロットカードを人間として扱うように見ると、それぞれが人のように感情や形を持つように感じられます。
本来はこれをタロットと自分の関係づくりに利用したり、ポジティブなことのために活用していくのですが、見ようによってはたとえばリバース(逆向き)のカードのように、エネルギーのバランスが崩れた状態、ネガティブな側面の人格としてカードの表すエネルギーを感じられることもあります。
いわば、それが自分の心の中にいる様々な自分というものに近いものと考えられます。私個人の考えでは、それらは霊的実在であり、本当に「いる」と思っています。
こう考えてみてください。
「万物には心がある」とまず仮定します。それはどんな微細なものにも構造的に遍在している(広く行き渡っている)と見ます。
そして「同じエネルギーには同じ「心」を持つ」と考えますと、繰り返し現れるエネルギーには、その「心」が刻印されてくると言えます。
また繰り返さずとも、強烈なインパクトをもって放出されたら、そのエネルギーはまた強く刻印されることになります。つまりそれに応じた心も刻まれるというわけです。「心」ですから感情的なものもあると想像できます。
それが自分の中の多くの存在につながるのです。
虐待を受けたり、否定的な感情を植え付けられたりした経歴があれば、そのエネルギーは刻印され、それに応じた「心」をずっと持ち続けることになります。形にはなっていないものの、自分の中で「ホムンクルス(人造人間)」を作っているようなものです。
虐待などの強烈な経験がなくても、意外に両親や生育した家族・環境から自分が受けているものは誰しもあるものです。それは今まで語られてきた以上に深く今に影響していると予想されます。
言ってみれば、皆、多かれ少なかれ、昔の意志を持つエネルギー体(自分で生み出したのですが)に憑依されているようなものです。
ただそれらはネガティブなことを引き起こす悪い存在とは言い切れません。そうなしないと自分を守れなかったためのプロテクト、守護人格だった可能性もあるからです。
人と親密になると、このようなものたちが出てくるようになります。
自分は置き去りにされているのに、本体は人と親密になろうとしていることに嫉妬して登場することもあれば、人(親のことが多い)と親密になろうとして裏切られた、あるいは親密になれきれなかった悲しい思いが再びわき起こるのを避ける(守る)意味で出てくることもあるのです。
恋愛はやがてセックスに結びつきますので、体のふれあいに発展します。スキンシップは幼少期の親との関係や愛情の構築を想起させるのに相当のパワーを持ちます。
このことが恋愛における親密さから来る当人の問題を、さらに加速させるのです。
結局、自分の中にある多くの自分を統合していくことがスムースな人間関係、よりよい恋愛に向けての根本的解決になっていくのだと想像されます。
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