うつ 心の健康

うつにならないためにも、睡眠不足には気をつけましょう。

自分がうつ病になった時の原因はいろいろと考えられるのですが、中でも睡眠不足というものは大きな要因を占めていたように感じます。


うつ病前の一時期、私は仕事で非常に忙しく、普段十分に睡眠時間がとれない状況にありました。


また、たまの休みも、精神的な疲労や不安の解消に夜遅くまで遊んだり、活動したりしていたこともあって、必然的にかなりの睡眠不足に陥っていました。


睡眠は人間にとってなくてはならない生理的現象であり、疲れを取り、まさに体をリフレッシュさせてくれるものです。


よく「少々の徹夜でも大丈夫」と言ってかなり毎日無理をしている人がいますが、これは後になって確実に身体や心にダメージとなって響いてきますから注意が必要です。


無理をした分はどこかで補う(代償を支払う)ようになっています。


もちろん短時間睡眠法などで、短い時間でも効率的に体を休ませることもできないわけではないでしょうが、それでもやはり睡眠の質は問われると思います。


そう、一口に睡眠不足とは言っても、単に時間の不足が問題となるのではなく、その質の不足(悪さ)も重要なのです。


神秘学者シュタイナーによれば、人間は眠っている間に霊界(アストラル界・星の世界)に行き、そこで現実世界を生きるためのエネルギーを充填させて再び戻ってくるのだといいます。


このことから、霊的にも睡眠は非常に大切だということがわかります。


シュタイナーのいうアストラル界というのは、星や感情の世界のことです。


ですから、人は睡眠中にアストラル界に行くことにより、昼間に体験する様々な感情(ダメージであることもあり)を、整理・調整をしているのではないかと考えられます。


タロットカードでも「星」というカードがありますが、このカードの意味にも「調和」や「浄化」というものがあります。


このように見てきますと、睡眠の効果は体力的な回復だけではなく、精神の調整にも大きく働いているのではないかと想像できます。


睡眠の不足は癒しの宇宙や海に入ることをそれだけ少なくしていることであり、その分心身の回復も遅れるか、ダメージを残したまま活動することになると思われます。


また睡眠の質が悪い場合は、この癒しの世界に入りづらくなっているか、安定して治療を受けていない状態になっているようにもイメージできます。


ちょうど病院の受付から呼ばれているのに、別のことをしていて気付かなかったり、治療ベットにいるのに落ち着かず、ふらふらと病院内をさまよっていたりするのと同じ状況といえましょうか。


いずれにしましても、霊的なことを抜きにしても、睡眠はとても大事ですから、うつ病予防のためにもしっかりと眠るようにしておきましょう。


「オレ、体力あるから大丈夫」「今は睡眠を削ってでもやるんだ」「若いからOK」と思っていても、精神的なプレッシャーが重なれば、ふいに睡眠不足の影響は現れますから、本当に気をつけてください。


地獄に仏、「13」は「節制」の天使に必ず出会う。

これはもう、私がうつ病と神経症を併発して、ギリギリに追い込まれていた時の話になります。


当時の私はすでに限界に来ていました。


これはうつ病になる人でも少ないケースだと思いますが、私の場合、ものすごいイライラ感に襲われて、気が狂うほどの状態に毎日なっていました。


このイライラ感はそれはそれはすさまじいもので、一分たりともじっとしていられない、強烈な焦燥感がありました。


とにかく待つことができないのです。(今なら、うつから来る脳内ホルモンの異常だったのではないかと推測できますが)


神経内科での待合室にいる時などは、まさに地獄でした。長く診察のかかっている受診者には、殺意さえ覚えました。


それはたとえていえば、この試験や仕事を逃すと一生がダメになるという時に、不運にも渋滞に巻き込まれ、刻一刻とその時間が迫っているけれどもどうしようもできない焦り・・・のような気持ちが永遠に続くというような感覚といえましょうか。


もしこの苦しみから逃れることができるのなら、どんなことでもする、たとえ人を傷つけてでも!とさえ思うくらいのものでした。


そんな私の一瞬の安らぎは、ただ寝ている時だけです。しかしまた起きればずっと地獄が続くのでした。

(うつもあって、なかなか眠れないのもさらに苦しみを増しました)


いつも夢を見ました。


「目が覚めると、あの苦しみは夢だった」という夢を。


夢の中の私は「本当に恐ろしい夢を見た、でも夢でよかった」と心から安堵していたのでした。しかし毎朝、それはむなしくも現実だと知り、絶望の一日が再び始まるのでした。


こんなことが続くので、もはや死ぬしかないといつも考えていました。あとはどう死ぬかだけです。


その日、私は仕事も早退し(行ってもほとんど休憩室で休んだり、うろうろするしかありませんでした。出勤しながら欠勤とされた状態です)、夕暮れの住宅地をあてもなくさまよっていました。


「もう生きていく力はないな、どこかで首でも吊ろう」と真剣に思っていました。イライラは相変わらず、ずっと続いています。


そんな時、ふと目の前に「治療院と」いう文字と案内があるのに気付きました。「やく治療院」さんという名前です。


「やく」か・・約・・・アバウトな治療院かなぁ・・・苦しすぎて、奇妙な連想が頭の中を巡り、私はその治療院に自然と足を向けていました。


実はこの頃私は、民間の治療院と名のつくところ、気休めに過ぎないとわかっていても、イライラの治療にならないかと所構わず、訪れていたのです。何かをしないとイライラで死にそうだったからです。


そしてやく治療院に着きました。私は応対された先生に、イライラで気分が悪いこと、なんでもいいので治療してほしいことを訴えました。


先生は私のせっぱ詰まった気持ちを察したのか、とにかく穏やかな口調で「治るかどうかはわからないけれど、苦しみはなんとかしてあげたいです」と、体を温めてくれたり、体をさすってくれたり、いろいろとやっていただきました。


特別な治療方法でもありませんでしたし、今までのこともありますから、おそらくこれでイライラが収まるとは思えませんでしたが、先生の口調やトーンが慈愛に満ちていらっしゃったのは心で理解できました。


その時の話の内容は記憶していません。でも、この時、一瞬でも心が和んだのは確かです。イライラの症状はあったとしても。


結局、治療後でも症状が消えることはなかったのですが、不思議と気分はましになっていました。何か救われた感じがしたのです。


「まだ生きていてもいいのかもしれない」「もしかしたら治るかもしれない」


なぜかそんな気持ちになり、私は治療院をあとにしました。


その後、あの阪神大震災が起こり、私の症状もまた変化を迎えることになったのですが(この話はまたいずれ書きます)、とにかくこの時、タロットでいえば「節制」の救済の天使が、やく治療院さんという形と人物を通して降りてきたのは間違いなかったと思います。


地獄に仏と言いますが、苦しくてもどこかに救いの道や人物は存在するものです。


あともう少し、あと一日、あと一週間、あと一ヶ月・・・と続けていけばどこかで救済が必ずあると私は信じています。


この世の中はどんなに苦しくても、決して地獄だけではなく、救いとセットになっていると私は感じているのです。


うつや神経症と感情の起伏

うつや神経的に参ってきますと、やはり精神状態が普通と異なってきます。


私はうつと不安神経症を併発していましたので、特に不安や依存心が通常の何倍増しかのような状態になりました。


よく、うつの人は感情があまり働かないとか、考えるのもおっくうになると言いますが、それは完全にうつに移行した時のことで、まだ自分でも半信半疑の初期の頃は、逆に感情の起伏が激しくなることがあるようです。 


やたらと涙が出てくる、ちょっとしたことで感動しすぎる、わけもなく悲しくなる、異常に怒りがこみ上げてくる、人を好きになりたくて仕方がない、友達といつまでも一緒にいたい気持ちになる、人と別れる時に非常に寂しさが増す・・・


このような症状が現れてきた時は、少し気をつけたほうがよいでしょう。


もちろん、ただの感傷ということも大いにありますが、上記のことに加えて、眠りにくい、早朝に目が覚める、起きあがるのも面倒なほど出勤がかなりつらい、などのことがありますと、やはり心の健康状態を疑ったほうがよいように思います。


うつになりますと、自分の弱いところを拡大されているような気持ちとなります。


人は誰しも「自分はちょっとこういう点でダメなところがある」と思っていても、すぐ別のことを考えたり、あまりずっと気にしたりすることはありません。


ところがうつや神経症になってきますと、そのことが妙に肥大化し、自分のよいところや楽観的に見ようとする気持ちが削られ、「私はこれこれがあるからダメだ」となり、さらには「これこれでダメな私は生きる価値もない」とすら思ってしまうことにもなるのです。


また様々な場面で極端さが増し、決定や選択を急ごうとあせります。恋愛は結婚を望んだり、相手に依存します。仕事は退職や転職などかなり極端なことを思います。


これらはすべて、心の均衡を失って自分の弱さやマイナス面ばかり強調させられているからです。


自分一人ではもちろん大変ですし、正常な判断ができにくくなります。


初期症状の時は友人や家族などに相談しがちですが、彼らも一般人ですから、話を聞いたり対応しているだけでかなり疲労します。自分がバランスを欠いていますので、相手にその分、どうしても負担がかかってしまうからです。


ですから先述したような症状が出ていたり、どうもおかしいなと感じたら、早めに専門医やカウンセラーに相談すべきです。


早期の分だけ、きちんと対処すれば治るのもそれだけ早いと思います。


仕事などで休みにくいところもあるでしょう。でも仕事での代わりはいても、あなた自身の代わりはいません。あなたの人生は、あなたという主人公がちゃんといないと成り立たないのです。自分を大切にしましょう。


※ここで述べていることは、経験に基づくものではありますが、医学的なこととは無関係に書いています。一個人の体験談としてお読みください。


うつの予防のために

あまりよい記憶ではありませんので、ブログに書くのもあれなんですが、同じようなことで苦しまれている方や予防的な参考の意味もこめまして、うつ病時代のことにも少しふれたいと思います。


ただ私の体験や対応が皆様全員に当てはまるわけではありませんし、医学的なことにふれることも適当ではありませんので、このあたりはご勘弁とご注意をお願いしたいと存じます。


まず私が心身の異常を感じたのは、公務員時代の何度目かの転勤後でした。


公務員と聞けば、皆様は9時17時の楽な仕事だと考えていらっしゃる方も多いかもしれませんが、決してそうではありません。部署によっては午前様がずっと続くような激務のところもあるのです。


それと、ただ単に忙しいのではなく、お役所ならではのしきたり、気遣い、閉鎖的な環境など相まって、精神的に民間とはまた違った苦しさが伴います。


もちろん民間のほうが大変で、特に今の不況での勤務状況は常軌を逸した苦境にあって、公務員の大変さなんて比べものにならんよ、と述べられる方がいらっしゃるのもわかります。


けれども今はそうした業種の厳しさの比較論より、あくまで個人の中での重さ軽さで見ていただければと思います。


さて転勤後、私がどうなったのかといえば、新しい仕事の説明を受けてもまったく耳に入らないどころか、頭の中の全体にもやがかかったようにどんよりとした感じになり、何を考えるのも、何をするのにもおっくうになっていました。


最終的にはボールペン一本さえも持つのが「しんどい」という状態になりました。もうこの頃には自分でもかなりおかしいことには気づいていました。神経内科を受診すると、うつ病であることが告げられました。


思えば、前の職場でひどく残業が続き、かなり体力的に弱っていたところ、転勤して次の職場での仕事内容も私には相当難しいように思えて、精神的プレッシャーも感じたことが発症の要因だったと考えられます。


この経験から、今日は私が言いたいのは次のことです。


体力と精神、両方が疲労していないかチェックすること。


人はうまくできているもので、精神的に少々堪えていても、体力が十分であると乗り切りやすいです。


反対に体力が弱っていても、安心した環境で回復が図れるのなら、それもまた何とかなります。


しかしながら、この両方を同時に弱らせるようなことがあると、とても危険です。個人の弱いほう(心か体)に何らかの症状が、サインとして出るおそれが高いといえます。


また、先ほど心と体、片方に力があるならば大丈夫とお話しましたが、それも程度と限界があります。


片方(心か体)でも許容量を超えてあまりに痛めつけられると、もはやもう一方でバランスを取ることが困難となり、心身の天秤は破壊されます。


ですから、日頃からの対応策は以下のようになります。


体の休息を取ること。 食事・睡眠・運動など基礎体力の温存と回復。

心のケアー。 友人とのうち解けた話、レクリエーションなどでのリフレッシュ。


そして心と体、そのものの「体力」と「許容量」(つまり打たれ強さや受け流す力)を、普段から上げていくことも求められます。


これはいわば、心身の天秤のはかりの部分(おもりやモノを入れるカゴの部分)自体を、少々のものが入っても傾かないように大きくしていくということになります。


このあたりはタロットをしている人には「正義」のカードの絵柄を見ると、よく理解できるはずです。


私のうつ体験やその後の経緯などは、話せばとても長くなりますので、いずれまた少しずつご紹介することにいたします。


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