タロットの使い方

タロットの普遍性とエネルギー。神や仏と呼ばれしもの。

タロットは西洋のものなのに、なぜかとても仏教(密教)的なところが入っています。


それには理由があると想像できますが、今は深くは解説しません。私はお坊さんでも宗教研究家でもありませんので。(笑)


それでも、タロットには洋の東西を問わず、古来からの神々や精霊を表すようなカードが存在します。


おそらくそれは神々と呼ばれるような存在が、ある特定のエネルギーを象徴しているからなのだと思います。


それがどの民族で見ても似たような形象を取るのではないでしょうか。天使が菩薩に見えるようなものであり、どちらも似たような「感覚」が昔の人は感じとれていたのでしょう。


タロットのよいところは、それが特定の宗教に関係せず、人々の元型(誰しもが思う基本的なパターンや形)意識を刺激することができるからではないでしょうか。


簡単にいえば普遍(どこでも通じる)的ということです。


さて、先述したある種のエネルギーとコンタクトすることができれば、そのエネルギーの力を自分に入れることができます。


戦いに勝つために毘沙門天に祈るみたいなことは、そのエネルギーを自分たちに注入する儀式でもあったのでしょう。


タロットでも同じようなことが瞑想によってできる可能性もあります。本格的ではなくても、特定のカードを色濃く扱うだけで、そのエネルギーが入る気配があります。


私は目的に応じて、自分のカラーをちょっと変えたるためにタロットを利用することもあります。同じようなことは、関西タロット研究会のチームでもされている方がいらっしゃいました。

ただ注意点はバランスをとるということでしょう。闇雲にエネルギーを入れると、逆にそれにふりまわされることにもなりかねないからです。


カードによる心の整理のメカニズム

この記事 での意味や方法について、少し反応もありましたので、シンプルですが加筆したいと思います。


タロットを使う心の整理法のカギは、大アルカナという22枚のカードにあります。


カモワン版マルセイユタロットにおいては、「タロットマンダラ」と称される大アルカナカードが番号順に並んだ表があり、それを使用すると便利です。


このタロットの並んだ図表はあまりにも奥が深いので、ひとことでは到底語りきれるものではないのですが、それはともかくとしても、大アルカナが全部整然と並んでいるものなので、事柄をカードに当てはめることをするのには、見た目にも大変使いやすいものなのです。(カードを取り出していちいち並べる必要がありませんので)


さて、自分の気持ちや事柄をタロットに当てはめていくとなぜ整理がついてくるのかということですが、その仕組みを説明します。


私たちは目に見えないことや説明のつかないもの、理解のできないものに対しては恐れや不安を抱きます。


それは自分の支配下に収まっていないので、得体の知れないものに恐怖感を感じることに似ています。


一方、カードは「絵」として目に見える「形」なので、それだけで安心感があります。


そして、自分の中に落とし込めなかった、あるいは理屈づらけられなかった感情や事柄が、カードの絵と象徴・意味によって分類されていくのです。


いわば世の中や世界の整理棚がカードによってできるようなものです。(余談ですが、「世界」という名前のカードがあるのも興味深いところです)


つまりは極端なことをいえば、カードによってあなたは世界(自分の感じている世界)をコントロールしたような気分になってくるのです。


カード(大アルカナのみでよい)に気持ちや事象を当てはめていくことで、カードの中にあなたの世界が内包されていくと言ってもよいかもしれません。


タロットと関連のあるトランプでも「手の内にある」という表現を使うように、カードによってあなたの中で収まりきらなかったものが収まり、感覚的にはまさに「手の内に入る」「コントロール下に入る」ことになってくるのです。


もちろん全部が全部というわけではないのですが、少なくともカードを知らずに混乱していた時よりも、かなり整理されて、心や事柄の収まりどころがましになっているはずです。


このためには絶対に必要な条件がひとつだけあります。


当たり前ですが(笑)、それはタロットカードを知ること、学ぶことです。


カードを知らなければ、ほかのものをカードに当てはめることができません。


タロットでなくても同様のことはできますが、私が言うのもなんですが、タロットは本当によくできたもので、このような整理道具としての使いやすさは一級品だと思っています。


タロットを使って心を整理していく。

かつて私がタロットを習い始めた頃は、神経症とうつ病からほぼ回復したと言ってもよい時期にいました。


いわゆる「寛解」といっていい状態ですが、しかしまた再発するのではないかという不安と、大きく自信を失っていて、これからどのように生きていけばよいのか模索している時でもありました。


(ちなみに「寛解」というのは症状がなくなって、何とか普通にコントロール可能な状態のことをいい、完全に治癒することとはやや意味が異なります)


当時は少人数でタロットを習っておりましたので、タロットの先生に講義のあと、特別に個人相談の時間など取っていただくことも可能でした。


先生と心身のことについてお話しておりますと、


「せっかくタロットを習っているのだから、それを活用したみたらどうだい」


とご提案されました。


「タロットをどう使うのですか?」


と私がお聞きしますと、先生は


「タロットで自分を徹底的に見つめていくんだよ」


と答えられました。


とはいえ、この時私はまだタロットを習ったばかりで、リーディングもほかの同期の受講者さんたちに比べてうまくできず、「自分にはタロットは向いていない」 とさえ思っていましたので、先生のアドバイスにも前向きには聞けませんでした。


けれども、一通りのタロットの学びを終えますと、タロットへの興味も相まって、あの時に先生がおっしゃられていた方法を自分なりに試してみることにしたのです。


先生は特に詳細に方法をお話されたわけではなかったのてすが(「自分で考えてみることも勉強」とお話されたので)、私は「おそらくこういうことではないか」と当たりをつけて実行してみました。


それは「ある規則に基づいたタロットカードの並びと自分の気持ちを当てはめていく」というようなものが中心で、そのほかにもタロットを実際展開してリーディングしたものを記録に残して、あとで検証する(当たっているかではなく、どうすればよかったかの観点からです)というようなこともやりました。


ほかにも本を読んだこと、人から話を聞いたこと、映画やテレビで見聞きしたこと、日々の心の動きなどもタロットでなるべく当てはめて考えていくようにしました。


すると、何か動揺したようなことがあっても、自然とタロットを思い浮かべることで心の整理がつきやすくなってきたのです。


「ああ、これはタロットでいえばこういうことだな」「なるほど、大変だけれどもこれがタロットカードの○○が示すテーマか」といった具合です。


こうすると不思議なもので、以前よりずいぶん落ち着きや楽しさが出てきたのを実感できるようになりました。


気がついてみると、心の調子がよくなっただけではなく、タロットリーディングの技量そのものも上達していたのです。


もちろん、ちょうど鬱病から回復して落ち着きを取り戻しはじめていた時というのもあるでしょう。


ですからこれだけで「タロットのおかげだ」と断定できるわけではないかもしれませんが、少なくともこの過程を通じて、それまでよりずいぶんと気持ち(と物事)の整理がつきやすくなったのは事実です。


タロットが自己観察、自己実現に使えるということを私はこの時、身をもって知ったのでした。


私は思います。このタロットを学ぶと、大なり小なり、確実にあなたの中の何かが変化します。


それは些細な変化のこともあれば、私のように人生そのものが変わる人もいらっしゃるでしょう。


これが数百年に及ぶ伝統を有するこのタロットの効果なのだと私は感じます。


タロットによる感情の整理

この前の 続きになります。


ある感情が(右脳で)発生して、その収まりをつけるめために、人は理屈を左脳でつけたがるというようなことをお話しました。

そして理屈が脳をうまく丸め込む(笑)ことができれば、もやもやした気持ちにもめどが立ち、気持ちの整理がつくということにもふれました。

私たちはささいなことも含めて、日常的にこのようなことを行い、動揺を沈めながら生活を送っています。

しかし、どうにも強烈な体験や理由のつけられない(頭で理解できない)ことが起これば、脳がそれを整理することができず、トラウマのような形で残り、時にはフラッシュバックや人格分離さえ生じさせるといわれています。

一方、では普通程度の出来事だと大丈夫なのかというと、そうとも言い切れないところがあります。

それは自分をごまかし、嘘の言い訳をついて、とにかくも右脳を一時的にだまらせるようなやり方をとっている場合です。

たとえば劣等感と呼ばれるものがあると、それをごまかすために、いろいろと理屈をひねり出します。

最初は、自分には能力がない、お金がない、時間がないなど、ないないづくしから始まり、さらには、相手が悪い、親が悪い、上司か悪い、会社が悪い、社会が悪い、世界が悪い・・・と外への非難に向かって、最終的には自己の存在すら否定することで、感情のいらいら感、もやもや感を収めようとします。

いわゆる不幸自慢というのもこのからくりに似ています。自分を不幸だと理屈づけることで、自分の今の状況の不満感情に折り合いをつけようとするのです。

時にはそれが攻撃的なものへと変貌し、理屈が理屈を呼んで、「オレが不幸なのもあいつのせいだ」「社会のせいだ」と幻想し、自分をおとしめていると理由づけた対象に対して、異常な執着を見せることもあります。

ここまでとはいわないまでも、意外にも人は、「まあ、仕方ないよ」と「仕方ない」理由をつけて、いつも同じ事を簡単あきらめてしまう理屈づけにより、感情を麻痺させることも少なくありません。

そうなとる、日々一時的ごまかしを続けているようなものですから、本当の意味で処理できていない感情は行き場を失い、潜在意識に乱雑に押し込まれることになります。

「ちりも積もれば山となる」ということわざがあるように、それらも蓄積が続くと、突如表面に躍り出て、今度はどうしようもない暴風雨として暴れ狂うこともあるかもしれません。

また、貯められている混乱感情が磁場となって、同じような混乱した状況を引き寄せることもスピリチュアル的にはあるといえるでしょう。

ですから、ここにセラピーや浄化の意義が出てくるのです。

これらの整理されていない、あるいは偽の理屈で押し込められた感情を、きちんと再び取り出し(向き合い)、ラベルを貼って整理棚の中に収めていく手続きをする必要があるのです。整理ですから、時には消去していくものもあるでしょう。

このようにして本当に収まりがついた時(真の意味で理由をつけることができた時)、非常にクリアーで前向きな気持ちになることが可能となるはずです。今までは重しを抱えていたようなものなのですから。

ごまかしの理屈は自分でも(忘れようとして)気がつかないこともありますが、薄々普段感じていることもあります。

タロットはこの感情の整理に役立てることができます。なぜならば、タロットに示された絵柄と象徴があなたの心を映し出す鏡となるからです。

そうしてタロットという鏡を見ながら、あなた自身、ゆっくりと埋もれていたものを整え、再編成していけば、目に見えない負担が減り、きっと気持ちの上でも余裕といい変化が見られることになるでしょう。


龍馬伝でのタロットシーン

先日お会いしたはるひなたさん のご自身のブログ 、またそのはるひなたさんとご一緒に活動されているアフィーノさんのブログ からもお知らせされていましたが、6月27日のNHK大河ドラマ「龍馬伝」に、マルセイユタロットが登場しましたね。


テロップでも、きちんとタロットの監修ははるひなたさんと出ていらっしゃいました。


いやー、それにしても大河ドラマにタロットが、しかも私も愛好するマルセイユタロットが出たことは、すごくインパクトがありました。


あのシーンでタロットが使われたのには、脚本家やスタッフの方などに、タロットがお好きな人がおられたということでしょうか。


それはともかく、個人的にはマルセイユタロットが一般的なメディアに登場したということで、とてもうれしく感じます。


さて、ドラマのシーンでのタロットの展開法は、スリーカード(三枚を並べる方法)でした。


これは、左から「過去、現在、未来」を示したり、ほかに「原因、取るべき行動、結果や願望」を表したりすることもある、今では非常にポピュラーなスプレッド(展開法)です。


一番最初に出たのは「月」のカード、そして次に「皇帝」、最後は「世界」のカードです。


このようにカードの名前を書いただけで、あのシーンのタロットの意味がわからなかった人でも、大まかなことが想像できるのではないでしょうか。


ただそれでも、初めの「月」のカードはちょっと難しいかもしれません。「月」のカードの映像シーン自体が短くて見にくかったこともあります。(一緒に見ていた妻は「太陽」のカードと勘違いしていたくらいですから)


「月」のカードは、二匹の犬が月に向かってほえあっている絵柄のカードで、葛藤やふたつのものの対立や拮抗などを示します。


また絵柄の下の方にはプールのような入り江があり、そこにはカニのような甲殻類も描かれています。


ですから細かく「月」のカードを見ていくと、月に向かう二匹の犬と浮かび上がってきたカニの構図という形になります。


見ようによっては、月(理想や幻想イメージ)に向かい対立する両者と、その間に漁夫の利を狙う者という関係ともイメージできます。


次の「皇帝」のカードは、そのまま文字通り、皇帝と当てはめるとよいでしょう。この頃のフランスの歴史をひもとき、フランス本国ではどういう体制になっていたかを知れば「皇帝」の意味はわかります。


最後は「世界」のカード。これもまさにカードの名前の通りです。この時のフランスが何を狙っているのかを考えれば意味は一目瞭然でしょう。


それからおそらく、監修のはるひなたさんは、この三枚に「数」の意味も入れたと想像しています。


それは三枚のタロットの数の合計数に秘密があります。


全部ばらすと面白くないので、これからは皆様のご想像にお任せしたいと思います。


少なくとも、私の発展コースを受講した方はわかるはずですが。(苦笑)


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